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2019年1月21日 (月)

インスリン「チョイ足し」は絶対アウトです。その他の注意点。

 動物も糖尿病になります。その場合、インスリンで血糖コントロールを行うのも人と同じです。経口の血糖降下剤は動物の糖尿病ではすでに使用する段階を超えているので使いません。使っているうちに糖尿が悪化して死ぬので。

 で、インスリンの注射は飼い主さんがお家で行っていただくしかないのですが、1日2回打っていただきます。皮下注射です。原則12時間おきですが、

 1-2時間の注射のずれは長期血糖コントロールにおいて大きな問題ではないので気にしないでください。

 また、最近はペンタイプのインスリン注射器もありますが、当院では用いません。針が最大でも8㎜の長さしかなく、4㎜、5㎜の長さでは皮下注射ではなく、「皮内注射」になる場合がありインスリンの吸収率が著しく悪くなります。

 またインスリンの中には弱酸性の製剤もありますので皮内注射になると注射部位に疼痛が生じ、発赤炎症が起きることがあります。

 当院では12.7㎜の針長のインスリン専用の注射器を使っていただいています。この長さなら皮内注射になることはないですし、内臓を傷つける長さでもありませんので安心して刺してください。

 さらに!大事なことですが針付き注射器及びペンタイプの注射針は「一回で使い捨て」です!

 使いまわすと、せっかくのインスリンの液が汚染されてしまい、血糖降下の効果がない、細菌感染を引き起こすなどの害が起きます。

 ここは絶対譲れないところです。

 またペンタイプ注射器の針でも針付きの注射器も医療廃棄物として処分しないといけません。使用後は動物病院に持ってきてください。一定量溜まってからでよいです。当院では無償で医療廃棄物として処分しています。

 医療者でない一般の方が家で「注射」をすることはものすごく抵抗があると思います。

 注射の「打ちミス」もなれないうちはあるでしょう。でもそこで守っていただきたいのが

「打ちそこなったかなー?と思ってももう一回打とうとしたり、少量追加で打つ」ことは絶対しないでください!

 打ちそこなったと思っていても実際にはきちんと注射できていたり、ある程度はインスリンが体内に入っていたりします。

 その際に「もう一回インスリンを同量打つ」「チョイ足しする」と低血糖発作で動物が死亡、ということになりかねません。

 1回うちミスした時は、追加で打たずに12時間後に打ってください。

 1回打ちそこなったくらいの一時的な高血糖は数日で是正されますので安心してください。

 また、インスリンを獣医師の指示で増量する場合は「次の日の朝」から必ず増量です(このあたりは獣医師がきちんと指示するべきところです)。

 夕方、夜間にインスリン増量して万が一低血糖発作を起こした場合、病院での救命措置ができず動物が死ぬことがあります。

 さらにこれも獣医師が考慮すべきことですが、体重1キロ当たりインスリンが1単位以上必要になってしまう場合は、糖尿以外に血糖値を押し上げる何か別の要因が隠されていると考えなくてはいけません(インスリン抵抗性という状況です)。血糖値が安定しないからと言ってどんどん増量していたら急に低血糖で死亡、ということもあり得ます。

以上、糖尿病、インスリン注射の簡単な注意点です。

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