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2019年1月

2019年1月24日 (木)

猫の便は水洗トイレに流さないようにしましょう。

 最近、「トイレに流せる」固まるタイプの猫砂が増えていますが、

水洗トイレのメーカーは原則、人の使用のみを想定して設計していますので猫砂は「トイレに流せる」と書いてあっても流さないほうが良いでしょう。

 流すとしても少量ずつ流さないと配管が詰まる可能性があります。

特に最近のトイレは節水型が多いので水流の力があまりないようです。

 さらに絶対に流してはいけないのは肝心の「猫の便」です。

 猫の便は、極端な話素手で触ってもそう簡単に崩れないくらい固いのです。

 原則水に溶けるということがないので、水洗トイレの配管内で詰まる可能性が高いです。

 過去に猫の便を洗濯機でうっかり洗ってしまったことがあったのですが、全く形が崩れていませんでした。洗濯機の激しい水流でも砕けたり溶けたりしないのですから、水洗トイレには流さないほうがいいです。

 余談ながら、猫はたまにひどい便秘、巨大結腸症ともいえる病気になります。2日便が出てなくて食欲が減退している場合は早急に対応する必要があります。

 骨盤腔よりも大きくなった便秘便は前述のとおり、水に溶けない便なので下剤等で出てくれません。下手に刺激性下剤を用いると腸の蠕動だけを誘発し猫の体力だけを消耗させる事態になります。

 普通の猫の便の固さは、あえて言うならクランキータイプのチョコ菓子位の固さです。これはぎりぎり人差し指と親指で砕ける人は多いでしょう。

 しかし猫の便秘便の固さは「料理用のチョコレートの分厚い塊」位の固さです。お店で購入して試していただきたいのですが、これを人差し指と親指だけで砕ける人はなかなかいないのではないでしょうか。

 そんな便ですのでトイレに詰まるし、便秘になると下剤ごときでは絶対に出ません。人の便とは性質が違うとお考え下さい。

 初期の便秘ですと特殊な粘滑剤入りの浣腸でつるんと出てくれたりしますので2日便が出なかったら早急に動物病院にお連れしてください。

 

2019年1月21日 (月)

インスリン「チョイ足し」は絶対アウトです。その他の注意点。

 動物も糖尿病になります。その場合、インスリンで血糖コントロールを行うのも人と同じです。経口の血糖降下剤は動物の糖尿病ではすでに使用する段階を超えているので使いません。使っているうちに糖尿が悪化して死ぬので。

 で、インスリンの注射は飼い主さんがお家で行っていただくしかないのですが、1日2回打っていただきます。皮下注射です。原則12時間おきですが、

 1-2時間の注射のずれは長期血糖コントロールにおいて大きな問題ではないので気にしないでください。

 また、最近はペンタイプのインスリン注射器もありますが、当院では用いません。針が最大でも8㎜の長さしかなく、4㎜、5㎜の長さでは皮下注射ではなく、「皮内注射」になる場合がありインスリンの吸収率が著しく悪くなります。

 またインスリンの中には弱酸性の製剤もありますので皮内注射になると注射部位に疼痛が生じ、発赤炎症が起きることがあります。

 当院では12.7㎜の針長のインスリン専用の注射器を使っていただいています。この長さなら皮内注射になることはないですし、内臓を傷つける長さでもありませんので安心して刺してください。

 さらに!大事なことですが針付き注射器及びペンタイプの注射針は「一回で使い捨て」です!

 使いまわすと、せっかくのインスリンの液が汚染されてしまい、血糖降下の効果がない、細菌感染を引き起こすなどの害が起きます。

 ここは絶対譲れないところです。

 またペンタイプ注射器の針でも針付きの注射器も医療廃棄物として処分しないといけません。使用後は動物病院に持ってきてください。一定量溜まってからでよいです。当院では無償で医療廃棄物として処分しています。

 医療者でない一般の方が家で「注射」をすることはものすごく抵抗があると思います。

 注射の「打ちミス」もなれないうちはあるでしょう。でもそこで守っていただきたいのが

「打ちそこなったかなー?と思ってももう一回打とうとしたり、少量追加で打つ」ことは絶対しないでください!

 打ちそこなったと思っていても実際にはきちんと注射できていたり、ある程度はインスリンが体内に入っていたりします。

 その際に「もう一回インスリンを同量打つ」「チョイ足しする」と低血糖発作で動物が死亡、ということになりかねません。

 1回うちミスした時は、追加で打たずに12時間後に打ってください。

 1回打ちそこなったくらいの一時的な高血糖は数日で是正されますので安心してください。

 また、インスリンを獣医師の指示で増量する場合は「次の日の朝」から必ず増量です(このあたりは獣医師がきちんと指示するべきところです)。

 夕方、夜間にインスリン増量して万が一低血糖発作を起こした場合、病院での救命措置ができず動物が死ぬことがあります。

 さらにこれも獣医師が考慮すべきことですが、体重1キロ当たりインスリンが1単位以上必要になってしまう場合は、糖尿以外に血糖値を押し上げる何か別の要因が隠されていると考えなくてはいけません(インスリン抵抗性という状況です)。血糖値が安定しないからと言ってどんどん増量していたら急に低血糖で死亡、ということもあり得ます。

以上、糖尿病、インスリン注射の簡単な注意点です。

2019年1月18日 (金)

個人輸入等で購入したお薬は自己責任で用いてください。

 自分で飼っている動物に「自己責任で」個人輸入等で購入した薬を使用することは法律違反ではありません。

 しかし、その薬について「投与しても大丈夫か」「薬用量、投薬回数」等を処方してない獣医師にお尋ねするのはお控えください。

 獣医師は無診察による診察治療が禁じられているためと、自身で処方してない薬については詳細が不明なため投与による副作用等に責任が持てないためです。

 「ちょっとくらい教えてくれてもいいだろう」と思われるかもしれませんが、多くの場合、病院で使用してない薬であることが多く、詳細は調べないとわかりません。

 電話する方は電話一本で済みますが、調べる側は薬学の本やネットを駆使して調べないといけないわけです。その労力を考えていただきたいのと、自身で処方してない薬については軽々しく用法、用量について語れないということもあります。

 そのあたり、ご理解いただけたらと思います。

 また安易に「人の薬」(痛み止めや下剤、下痢止めなど)を動物に使おうとする方がいますが、人で大丈夫でも動物には重篤な副作用を起こす薬は多々あります。安易に人用の薬を用いようとする問い合わせには全力で「使用しないでください」とお願いします。

 どうしても使用したい場合は自己責任でお願いします。

「人用の薬を飲ませたいけど、動物が暴れて飲ませられないから病院で飲ませてください」という場合もお断りします。あくまで投薬したいときはご自分の力でやってください。

2019年1月11日 (金)

観葉植物は動物から遠ざけましょう。

 観葉植物は意外に動物にとって有毒なものが多いです。

・ユリ科植物:腎不全を引き起こす。特に猫は顕著。英名でLilyとついているものは一見ユリに見えなくてもユリ科植物です。

・ポトス:葉を鑑賞する。英名Devil's ivy(悪魔のつた)口内炎や刺激性皮膚炎を引き起こす。

・しきみ:仏壇や神棚にサカキの代わりに飾られることもあり。防腐作用があるので長持ちするが、有毒である。

 正直、すべての植物の有毒性を把握してあるわけではないので、気になる場合はネットなどを使って調べてください。

 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide/pdf/8.pdf

環境省のペットフードガイドラインにも一部載っています。

 有毒でなくても植物を摂取して葉や枝などが腸閉塞を起こすケースもあります。動物と植物はスペースを分けましょう。

2019年1月10日 (木)

犬や猫は生後3か月以上は親と一緒にいたほうがよいです。

 一般家庭で生まれた犬や猫を見ていると生後3カ月以上、親とともに過ごした動物の方が性格が落ち着いている印象があります。

 特に犬は生後2カ月未満で親犬から引き離された場合、犬社会のルールを学んでないためと分離不安なのか、非常に落ち着きのない子犬になっていることが多いです。

 また生後3か月以上育てていると、その間に伝染病、寄生虫疾患、先天的疾患が顕在化するので、そういう動物が市場に出回ることを防ぐことができます。

 そういう動物がどこで手に入るかといえば、動物愛護センターなどの保護施設です。

 多くが郊外にあることが多いので少し足を延ばさなければいけませんが、動物を飼ってみようかと思う場合は一度足を運ばれてはいかがでしょうか。

 実際、飼うのも楽だと思います。

2019年1月 8日 (火)

飲水量、排尿量の増加は糖尿病のサインかもしれません。

 動物でが元気食欲はあるけど、最近えらく水を飲むな、とか排尿量が多いな、というときは糖尿病を疑ったほうがいいかもしれません。大体肥満気味の子が多いと思います。

 初期の段階で見つかれば、糖尿病の合併症(白内障や腎障害)を引き起こす前に血糖コントロールができます。

 肥満気味の動物が痩せてきたときは糖尿病がかなり進行して高血糖が長期間続いていることになり、動物の健康状態が悪化しており、血糖コントロール以外の治療が必要になります。

 糖尿病の治療は1日2回のインスリン注射です。飼い主さんにやってもらうことになりますが難しくありません。

 現在は糖化アルブミンという2週間くらいの血糖値の評価ができる検査が安価にできるので、初回は半日お預かりして血糖値を2時間おきくらいに測定して、必要なインスリンの量を算定します。糖化アルブミンも測定します。

 以後は2週間おきくらいに糖化アルブミンと血糖値を測定してインスリンの量を修正していきます。食欲元気があれば入院は原則必要ありません。

 特に犬は糖尿病の合併症が出やすいので、なるべく早く血糖値を安定させたいので一か月強でインスリンの投与量を決定できるのが理想です。

 以後は1カ月おきに糖化アルブミンと血糖値を測定していき、糖化アルブミンの数値が良好なら測定は2-3カ月おきにする場合もあります。

 動物の糖尿病は原則一生インスリンを投与せざるを得ませんが、きちんと管理できれば十分長生きできます。

 糖尿病を放置すると糖尿病性昏睡の状態に陥り血糖コントロールを行っても予後不良で亡くなる場合もあります。飲水量、排尿量はさりげなく気をくばりましょう。

2019年1月 7日 (月)

動物の排便は健康のバロメーターです。

 来宅直後の動物が「それなりに食欲元気はあるけど便が緩い」というのは何らかの寄生虫、病原体の感染症の可能性があります。

 通常、子犬、子猫であっても便が緩いということはあり得ません。

(フードが変わったから、環境が変わったから、ということで便が1-2日緩くなることはありますが、それ以上の期間緩くなることは健康ならあり得ません)

経過を見すぎると、幼弱な動物は衰弱して死亡することもあり得ます。

 小動物の軟便、下痢は「病気」と考えて早めの受診をお勧めします。

2019年1月 3日 (木)

あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 前にも書きましたが、お盆やお正月は動物にとって受難の時期です。

 複数の人の出入りがあり、特におとなしい猫はびくびくしてどこかに隠れて出てこない、ということがあります。大体寒いところに隠れているので索さのストレス、飲水、食事ができない、等で膀胱炎や尿路閉塞をこの時期に引き起こすことがあります。

 犬は車での長距離移動の途中で逃げる、不慣れな場所で遊ばせて足を痛める、などが起こりえます。

 またどうしても飲酒の機会が増えますので、注意力散漫になり、動物がテーブルの上の食べてはいけないものを食べてしまったり、ということも怒りえるのがこの時期です。

 動物を飼われている方は、動物がストレスを感じることがないように気を使ってあげてください。