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2018年10月29日 (月)

小型犬の橈尺骨骨折

 小型犬 1歳2か月。左橈尺骨骨折。遠位側。体重約2㎏。

Tousyakotukogata

 キャスト下巻き材を「stirrup」式で巻き、腹側に半身の熱可塑性プラスチップスプリント(手製)を市販の両面マジックテープ(ホームセンターなどで購入)で適当に固定。麻酔なしでの処置です。看護師さんに持ってもらえばバリカンかけも麻酔なしで(診察室で)全処置ができます。

 外側は自着性包帯で大雑把に巻く。引っ張らないように巻く。

Tousyakotukogata2

これは受傷後2ヵ月くらいですが、キャストは実質4週間で取り外し。実際にはキャスト材を付けたうえで2週間後には着地して歩けていたそう。

(レントゲンの角度が違っとるじゃないか!というご指摘もあろうかと思いますが、小柄で痩せている子なので保定も気を遣うのです・・・。何回も撮り直ししたくない・・・)

 成長板がすでにないので骨格的な成長は止まっているわけですが、きちんと外固定で骨折が治癒しています。

 ケージレストはしていません。元気なので実質無理。平面を動いてもらう分にはいい運動になると思います。入院はさせません。犬も嫌でしょうし。

 「stirrup」式のキャスト下巻き材固定はとても適度な固定力があり、きつくなく緩くなく、1週間は下巻き材が外れない、「こんな簡単な方法で!」という固定法です。実質これだけでも変位の少ない前腕、下腿骨折は治るんじゃないかと思うのですが、骨折部位がどこかにぶつかると痛いと思うので熱可塑性のプラスチックスプリント(ぐるぐる巻きのギプスじゃありません。半身の簡単に取り外しできるものです)は3週間くらいは当てておいたほうがいいかなと思います。

 成長期の動物は、仮骨がもりもり増生してくるのでそれこそ「緩やかな」外固定で前腕、下腿の骨折は3-4週間で治りますが、成犬も仮骨の増生は幼犬に比べ少ないですが、治るようです。

 例数は少ないので、徐々に症例が増えていけばと思っていますが、2キロ未満の小型犬の骨折は治るまで、獣医師もドキドキです。ただ、この外固定のやり方は、少なくとも生体側の治癒過程は妨害してないので治らないことはないと思うのですが…。

Cast

 熱可塑性プラスチックシートによるキャスト。厳密に足の形に合わせなくても大体の形を作ればいいと思います。30分くらいでできます。端っこを犬が咬み始める3週間くらいで用済みです。

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