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2018年2月

2018年2月28日 (水)

獣医療は獣医師でしかできません。

 獣医師は様々な薬剤を用いたり獣医学的な手技を用いて

「意図的に」動物の体を傷つけることもあります。手術などはその代表的なものです。

 そのさらに前に、獣医師として守らなければならない法律があります。法律を守るということをきちんと実施するということは、獣医師としてというより人として当たり前のことです。

 当然、獣医療は獣医師しか行ってはいけません。手術はもとより、注射一本でも同様です。

獣医師以外の人間が行うことは獣医師法違反になります。

 法律を守るという心構えは、ひいては適切な獣医療を行うということにつながっていきます。

 獣医時法学という授業で獣医師に関係する法律を学ぶのですが、社会に出たら直接的な獣医療に気持ちが傾きがちで忘れがちになるのですが、決して忘れてはならないものです。

 もしも道を外れている獣医師がいたら、いさめられる立場の人がいさめてあげるべきだと思いますが、なかなかむつかしいでしょうね。動物病院の院長というのはお山の大将になりやすいので。自戒を込めての言葉です。

一般の方にはピンとこないことなので、よくわからないと思いますが、獣医師は常にそれを肝に銘じていかなければいけないと思います。

2018年2月26日 (月)

当院の駐車スペースは№1-9までです!

当院の駐車スペースは

1-9番までです!

 お隣の事務所の駐車スペースには駐車しないようにお願いします!

 それと、真ん中のシャッターは閉まってますが、そこも当院が借りております!業者さんなどは「ここは無人だからいいか」という感じで駐車しないでくださいね!

 

2018年2月25日 (日)

駆け出しのころ(犬前肢の骨折)

 開院したてのまだ経験の少なかったころの症例です(今も経験は足りませんが)。

 獣医業界で今や骨折の治療がむつかしいツートップの犬種のどっちかです。

レントゲンを撮って、はわわわ・・、となりました。

Front_leg1

Front_leg2

橈尺骨の遠位部骨折ですね。綺麗に骨折しております。

 整形外科の経験など少なかった時なので「あ、まずい」と思ったものです。私に治せるのか?と不安がよぎりました。生来、悩みごとも人にあまり相談しない繊細で内気な私、なかなか症例の相談などできる先生もいません(当年51歳の男の文章)。

 知恵を絞りに絞って治療策を練りました。

約1か月後、

Front_leg3

Front_leg4

 綺麗に治っております。C・W・ニコルばりに「骨は、生きている…」(当たり前だ)とつぶやいた症例ですね。

 硬い骨を治すのは、実は軟部組織なんじゃないの?と気づかされた症例です。

やっぱり筋肉って大事ですよね。

 ちなみに骨折の治療後、「ケージレスト」が重要などと論文などに書いてあったりしますが、

「そもそも骨折するような活発な犬がおとなしくしているわけないだろ」と思っています。実際問題無理なので、自由にさせていいと思います。

2018年2月24日 (土)

ウサギの臼歯の不正咬合

 ウサギはよく歯の不正咬合を起こします。

 ウサギの歯は、どんどん伸び続けるのですが、咀嚼をすることで上下の歯がお互いを削りかみ合わせを維持していますが、遺伝的に不正咬合が起きることがあります。

 急にウサギが食事をしなくなったらまず歯の異常、ついで腸閉塞を疑います

 前歯(切歯)の不正咬合は見てわかりますが、奥歯(臼歯)の不正咬合はなかなか見た目ではわかりません。

 ウサギの口はあまり開かないから無麻酔では確認しづらいので麻酔をかけて歯を削ってしまったほうがいいです。

 レントゲンを撮るとある程度臼歯の状態が確認できることもあるのですが、左右の歯が重なって

撮影されることもあり、決定打にかけるときがあります。

 いっそ麻酔をかけて直接見たほうがわかりやすいです。

当院では吸入麻酔を用いて麻酔をかけるので覚醒も早いです。

歯の異常を取り除いたら大体数日で食欲が回復します。

2018年2月23日 (金)

ピンは1本ではだめ?

 骨折の治療の一つで髄内ピンというものがあります。私は使ったことはないですが。

 大学の外科実習の時、「単純骨折の時1本では骨が長軸に沿って回転するので、2本以上いれるべき」

と教わりました。

 ただ、最近はこれは正しくないのではないか、と思っています。

というのは上記の理屈は骨の周りの筋肉を全く無視しているからです。

骨と筋肉は結合組織でつながっています。その骨がそんなにぐらぐら動くでしょうか?

 個人的には1本の髄内ピンですら不要ではないかと思っています。

 勤務医時代に、犬の大腿骨骨折に一本の髄内ピンを入れている例を見ましたが、抜釘しても着地ができず明らかに偽関節になっている印象でした。

 当時は「2本以上いれてないから骨の不動化がなされてなかったんだろうな」と思いましたが、むしろ現在は髄内ピンが血行を阻害して偽関節を生じたのではないかなと思っています。

 

短頭種の麻酔。

 ブルドッグ、フレンチ・ブル、ボストン・テリア、シーズー、チンなど鼻が短い犬を短頭種と言いますが、麻酔をするうえで常に気の抜けない犬種です。

 極端に鎮静がかかりやすい、気管挿管しづらい、抜管時も気をつかう、等々、他の犬種が安心というわけではありませんが、短頭種に麻酔をかけるときはスタッフと入念に打ち合わせをします。

 動物の状態を見て使用する薬を直前で切り替えたりします。

覚醒後も入院室で元気にしてるか、こまめな観察が必要です。

飼い主さんに元気にお返しするまでが手術ですが、短頭種はより気をつかいます。

2018年2月22日 (木)

つまようじのような骨の骨折(野鳥:アオバズク)

 台風の後などに野鳥がけがをして運ばれることが多いです。

Aobazuku2アオバズク。右中手骨骨折。

つまようじくらいの太さしかない。

でも

Aobazuku3撮影したのは保護して1か月後ですが、すでに2週間目くらいから飛行し始めていた。

きれいに癒合している。

Aobazuku1_2

なぜ自分はここにいるのだろうと首をかしげている。

渡り鳥なので放鳥時期がむつかしいが、なんとか時期中に放鳥できました。

森の中に放したら一瞬で木々の中にまぎれてどこにいるかわからなくなりました。

可愛らしいですが、野鳥は寄生虫を持っていますので安易に保護しないでくださいね。

野生動物保護法違反にもなります。

当院は福岡県から保護の委託を受けているので保護しているのです。

2018年2月21日 (水)

術後の創が開く(創離開)

 まれですが、手術の後に創が開いてしまうことがあります。これは皮膚と皮下組織が何らかの

原因で開いてしまうことで、筋肉が開くことはめったにありません(というかあってはいけないことです)。

 なぜ皮膚が開いてしまうかというと推測ですが、

「皮膚は頑丈だが、薄いので縫合の時に頑丈な組織を拾いそびれたときに開く」のではないか、と

考えています。また極端に皮下脂肪が多い動物は、血管の分布が少ないために傷の癒合が遅くなる印象があります。

 また、ある種の皮膚や靭帯の強度が弱い犬(ダックスフンドなど)はなりやすい印象があります。

 ただし、筋肉が裂けることは絶対ありませんし(少なくとも当院では)、開いた創は湿潤療法をすればきれいに治ります。ご安心ください。再縫合や抗生剤などは原則必要ありません。

例)猫 避妊手術後創離開

Sou1術後1週間。野良猫。尾側で一部創離開。

Sou2術後2週間。創閉鎖していっている。

Sou3術後3週間。創完全に閉鎖。

本当は湿潤療法を用いたほうがきれいに治りますが、野良猫なので…・。

まあこれだけきれいに治ればよいでしょう。

本当にわかりやすい「環境省:飼い主さんのためのペットフードガイドライン」

環境省の「飼い主のためのペットフードガイドライン」です。

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide.html

ものすごくわかりやすいので、定期的に掲載しています。

 骨のため煮干しを犬や猫に与えようとする飼い主さんもいますが、マグネシウムを多く含むので尿石症を誘発します。

 それ以外にも有用なことが書いてあるので是非ご一読ください。

2018年2月20日 (火)

野鳥の骨折

Kite野鳥 トビ

右翼 尺骨斜骨折。後日判明するが右脛骨も斜骨折していた。

Kite2

 約1か月後。院内で飛行可能。骨折も治癒(骨折が治ってないとそもそも飛べない)。右脛骨も治癒。

私たちの腕に止まるようになる。まだ若鳥だったみたいですれてなかった。

Kite3(自分で飛行して院内給湯器の上に乗る。保護して2週間くらい?)

 専門の業者からウズラ等を仕入れなければいけないのでエサ代のほうがかかった!ウズラを器用に爪とくちばしで割いて食べていた。

 野生に無事復帰。お礼を言うことなくさっさと飛翔して去っていった。9カ月も居候。

 酉年の年賀状にも使わせてもらった。

骨折の治療とは何かを経験させてもらった良い症例。